《MUMEI》

下に降りたら

みんなが

あたしを待ってた。

「わぁ、似合ってるデスよ〜」

「ぇ、そ‥そうかな‥」

「そうデスよ〜」

ドロシーちゃんは

ニッコリ笑って頷いた。

「ほら、そこ座り」

あたしが座ったのは

黒っぽい髪をしたコの隣りだった。

確かこのコ──‥

「ね、ねぇエリオルちゃん」

「オレは男だ。ちゃん付けで呼ぶな」

「ご、ごめん‥」

「女‥みたいだろ」

「ぇ?」

「‥──────」

「エリオルくん‥?」

「気にするコトあらへんて。コイツ、いっつもこうやねん」

「いっつも‥?」

「見た目が女のコみたいや‥て、そればっかり気にしてん」

「───────」

見た目‥

見た目って──

そんなに

大事なのかな‥?

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