《MUMEI》

「分かったら向こう行ってくれ」

「‥‥う、うん‥」

あたしは

元来た道を

戻り始めた。

「どうしたデスか〜?」

「ぅわあ‥っ!?」

「何かあったデスか?」

「ドロシーちゃん‥脅かさないでよぉ‥」

「ご、ごめんデス‥。でも、こんな所で何してたデスか?」

「エリオルくん‥」

「?」

「あの魔法使いくんに言われたの。探しに行ったら‥『お前にオレを探せと頼んだ覚えはない』、『お前を仲間だと認めた訳でもない』って──」

「ナギ‥?」

「あはっ、あたし──分かんなくなっちゃった‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「あれ、ドロシーちゃん‥?」

「気にしちゃ駄目デスよ?」

「ぇ‥?」

「だいじょぶデス」

「大‥丈夫‥──」

そうなのかな‥。

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