《MUMEI》

「あ、そや」

「どうしたの?」

「町の方に行ってみーひん?」

「町‥?」

「色んな店並んどって楽しいで?」

「で、でも‥人間ってバレたらまずいんじゃ‥」

「アンタがその杖持っとる限り大丈夫や。みんなで行こっ。な?」

「う、うん‥」

あたしと

シフィルちゃんと

ドロシーちゃんは

ホウキを持って

家の外に出た。

でも──

1つだけ

気になる事がある‥。

あの魔法使いくんは

行かないのかな‥?


「ナギ〜、そろそろ行くで〜?」

「あ、うんっ──!?ッ」

い‥

「いっったた‥」

「少しは周りに気をつけろ」

「ぇ‥」

ぇ‥

ぇぇ‥‥‥

「魔法使いくん‥っ」

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