《MUMEI》

「どっか行くのか、お前」

「え、ええと、その──‥町の方にね、ちょっと‥。魔法使いくんも一緒に──」

「行かない」

「で‥、でもさ、お留守番してても‥つまんないでしょ?」

「いちいちオレに構うな。さっさと行け」

「‥そ、そんな事言わないでさ〜‥、ね?」

「『行かない』って言ってるんだ」

「──お〜い、何しとん〜? 早よ行くで〜?」

「あ、うんっ、今行く! 行こう、魔法使いくんっ」

「おい‥っお前」

「置いてかれちゃうよ?」

「だから『行かない』って──」

「ね、町の事──詳しいんでしょ? 案内してくれない?」

「お前人の話聞けったら」

「ん?」

「‥‥───もういい」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫