《MUMEI》

「魔女さん、魔法、使えないの?」

「え、ええ‥と‥」

「貴女‥その杖‥」

「ぇ」

「どうして貴女その杖を──」

「ぇ、ちが‥コレは‥」

「ナギ」

「!?」

「落ち着き。アンタが人間やて気づかれたらどないなるか──」

「どうなる‥って‥牢屋行きとか‥?」

「そんなんで済むかいな‥」

「ぇぇ‥っ!?」

「逃げるで」

「ぇ!?」

「逃げるデスか‥!?」

「チビちゃん」

「だからボクはチビちゃんじゃないデスってば」

「アンタ、コイツを連れて先行っとき」

「ボクがデスか‥?」

「ウチは後から追いかける。頼んだで」

「わ、分かったデス‥」

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