《MUMEI》

「ふぅ‥ここまで来れば安心デスね〜」

「で、でも危なかったよね、かなり‥」

「そうデスか?」

「だってさ──」

『わぁ‥ッ』

『ドロシーちゃん!?』

『わ、わ‥落ちるデス〜!』

『ぇ、ドロシーちゃん‥!』

「怪我‥しなくて良かったよね」

「そうデスね」

「だけど‥シフィルちゃん‥」

「──ウチがどうかしたか?」

「ぇ‥」

‥‥シ‥

「シフィルちゃん‥!」

「何や、元気あらへんなぁ?」

「だ‥大丈夫だったんだね?」

「ウチが掴まるとでも思とったんか?」

「そ、そういう訳じゃないよ?」

「まぁとにかく無事で良かったわ。ほな、戻ろか。──どないしたん?」

「あのさ、シフィルちゃん‥」

「?」

「この杖って──魔法の杖‥なんだよね?」

「うん、そうやよ」

「───────」

「どうかしたん?」

「あ、ううん、何でも───」

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