《MUMEI》

哀れな恐妻家は、子供のようにしょげ返ることしかできない…。



――――…ゴリゴリゴリ……


サザエは、せっせとテーブルの上で何かを擦り潰している…。



「さあ…ヘコんでる暇があったら少しは手伝いなさい。」


単調な作業に疲れたのか、サザエはマスオに擦り鉢を押し付けた。



「――…分かったよ…。」


マスオは、サザエからそれを受け取ると、何やら怪しげな異臭を放つ生薬を擦り始めた。



――――…ゴリゴリゴリ……


サザエは、マスオが擦り漕ぐ鉢の中に、次々と漢方薬らしき生薬を継ぎ足していった。

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