《MUMEI》

川沿いのテーブルに着き、牛串を食べる。塩、コショウのみの味付けだが、こうゆう場所で食べると格別に旨い。
あまりの旨さに鳥串まで買って食べていた。
食べ終わると、タバコに火を付ける。
こうゆう場所ではタバコも旨い。
川を眺めると、水嵩も増し少し濁っていた。ここも結構降ったのだろう。

タバコを吸い終わりカルストを目指す。

20分程走ると『道の駅633美の里』とある。入ってみると『633美』=『むささび』と書いてある。
むささびが居るのかは分からないが、ゴロ合わせの様なものだろう。

周辺地図の看板を見ていると、「こんにちは」と、後ろから声を掛けられた。
俺も振り返り「こんにちは」と返すと、BMWのライダーズジャケットに身を包んだ二十歳位の女の子だった。
「えっBMW!?」と驚きながら辺りを見渡すと、俺のバイクの横にBMW−R1150が停まっていた。
「ツーリングですか?」

「まぁ、一応」

「何処まで行くんですか?」

「四国カルストに行ってみようかと思って…」

「エエッ!?ホントに?私もカルストに行くんですっ」

「エエッ!?ホントに?」
彼女と同じ言葉を口走ってしまった。

俺達は、ベンチに座り、暫く話しをした。

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