《MUMEI》

擦り潰した生薬から、蒸せ返るような苦い薫りが漂う…。



「ところで、いったいコレは何の薬なんだい?」


「アナタはそんなこと気にしなくていーのよ…。」


「教えてくれたっていいじゃないか…。」


「ふふっ…そぉねぇ…魔法の茶葉…とでも言っておこうかしら…。」


「――…魔法…?」


「そ!…私たち家族の幸せを叶える、魔法のお茶よ…(笑)」


「―――……?」


「さぁ、これで完成よ。(笑)」


サザエは、最後に黒焦げのイモリを擦り鉢に放り入れた。



マスオは、出来上がった粉末が飲み薬であることが、何かの間違いであって欲しいと願った…。

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