《MUMEI》
トラワレの身
「‥‥‥‥‥‥‥」

動くなって

言われてもなぁ‥。

心配だよ‥。

「あ‥シフィルちゃんっ」

「おったで‥アイツ」

「じゃ、じゃあやっぱり‥」

「今見張りはいーひん。せやけど‥」

「どうしたデスか‥?」

「この先に張られとる結界魔法を解かん限り、アイツを助けられへん‥」

「結界魔法‥?」

「ええと‥強力なバリアを張る特殊魔法デス」

「と、特殊魔法‥??」

「説明は後や。──チビちゃん、アンタ無効魔法使えたよな?」

「で、でもボクは──」

「アンタしかいーひんねん。このままアイツが掴まったままでええんか?」

「嫌デス‥」

「ほな、ウチが結界弱めるから頼んだで」

「ねぇ、あたしは何すればいい‥?」

「せやなぁ‥ほなアンタには鍵壊してもらおか」

「壊す‥!?」

「せや。アンタの杖なら容易いハズやで」

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