《MUMEI》 階段を登って事務所へ入る。 勢いよくバンッとドア開けた。 「二人とも、よく聞け!」「なんだ…騒々しい」 智嬉が迷惑そうな顔をする。 「新しい仲間が入るかもしれないぞ!」 「え?」 「司令官はもう分かってるはずだから安心してくれ」 瞳は問いかける。 「どんな人?」 「荒井先生って言って、俺の主治医なんだ」 「昔からの先生じゃねぇか!…ほんとに能力者なんだろうな…」 疑うのも無理はない。まだそうと決まったわけじゃないから… 「大丈夫大丈夫!俺の勘が正しければ多分能力者としては一番役に立つ人材だろう」 「滝…本人はちゃんと承諾した?」 瞳が心配して話す。 「あぁ、考えてみるって言ってたからな。今日か明日にはメールが来るはず」 「…後もう一人か」 智嬉はドアを開けて出て行った。 「なんだあいつ。おかしくねぇか?智嬉…」 「あなたが先に私たちに大事な事話さないからじゃないの?」 俺は智嬉の後を追いかけた。 「智嬉、待てよ!」 相手の腕を強く掴む。 智嬉は肩で息をしていた…。 「なんだお前…」 「俺が何したっていうんだよ?」 「お前は何もしていない、大丈夫。少し疲れただけ」 ほのかに辛そうな顔をしていた… 玄関から吹く風がやけに冷たく感じた。 前へ |次へ |
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