《MUMEI》 息を切らしながら駆け寄って来た洋平達に、新米刑事は驚いた様子で目を丸くした。 「確か君達は…」 「あ、覚えててくれてました?」 「そりゃ、ついこの前会ったし。…あぁ、ごめんね。辛い事思い出させちゃったかな…?」 「いえ…。」 洋平は首を振ると同時に、チラッと美樹の方を見た。 真弓と井上の死を思い出し、少し陰りはあるが、至って普通の表情であることから、まだこの新米刑事との会話の意味を理解してないらしい。 それでも洋平は構わずに会話を進めていく。 「確かに辛いですけど…でもいつまでも泣いてる訳にはいきませんので…。」 「そう…。 あ!それより、何か用事?事件で思い出した事があるとか?」 新米刑事のこの言葉を待ってましたと言わんばかりに、洋平はバッと顔を上げた。 ここからが本題なのだ。 「はい!実はそうなんです!!」 新米刑事は勿論、何も聞かされずただ言われるがままに着いてきた美樹も、驚いた顔で洋平を見た。 前へ |次へ |
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