《MUMEI》

私が俊彦の家に着くと、まず、『目を閉じて、手を出して』と言われた。


(ホワイトデーのプレゼントかな?)


私は言われた通りにした。

そして…今、ものすごく不愉快な思いをしていた。


「そうじゃなくて!何で、こんな…

手錠なんて持ってるの?!」


私の両手には手錠がはめられ、私は今、手が使えない状態だった。


「ん? 優馬さんがくれた。
『小説のモデルになってくれたお礼に』って。

おもちゃにしてはよくできてるよね」


「感心しないでよ! 何で手錠はめるの?!」


怒鳴る私に、俊彦はサラリと言った。


『蝶子が何もしないように』


ーと。


「だ、だからって…こんな…」


「だってこうでもしないと蝶子、自分でしちゃうでしょ?

今日は、俺が全部するの。
ご飯も、片付けも、着替えも、お風呂も…

その後も。

あ」


(まだ、あるの?)


次第に赤くなる私に、俊彦は笑顔で『トイレはどうする?やってあげてもいいよ』と言ってきたので…


私は思わず『変態!』と叫んだ。


その後、私は食べ物はスプーンで食べさせられ


飲み物は、…口移しで飲まされた。


そして、問題のトイレは…

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