《MUMEI》

俊彦はそう言うと、腰を動かし始めた。


「さっ…きまでは…ッ…あ、ハァ…」


『余裕あったくせに』と言おうとしたが、言葉が出ないほど、俊彦の動きが…


激しかった。


「ハァ、…ハァ…ッ…」


俊彦は、何も言わずに腰の動きを止めないまま、私の胸を揉み始めた。


「アッ!…ンッ…あぁ!」

普段は口を隠して抑えている声が


手錠のせいで、そのまま室内に響いてしまった。


「…いい声。もっと…」


「ンッ…アァ!」


俊彦が、私の胸の突起に吸い付いた。


それから、私が感じる首筋や、耳の下にも舌を這わせる。


「アァ…!ヤッ!」


「…ッ」


俊彦が慌てて私の中から出た。


ビュッ


勢いよく俊彦自身から溢れ出す液体が、私の腰の辺りにかかった。


私と俊彦は、お互い無言で見つめ合った。


そして、俊彦は『やっぱりこれ意味無いな』と言って、私の手錠を外した。


「どういう…意味?」


『まだ足りない』とおおいかぶさってきた俊彦の首に、自由になった両手を巻き付けながら、私が質問すると…


「『何もしない』って言ったのに、…腰が動いてた」

「…馬鹿」

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