《MUMEI》 ジロム「条件……かい?」 光輝「人の能力が見たいんだったらまずは自分が見せるものだろ?」 ジロム「確かにそうだな… しかし困った…」 光輝「何がだ? やっぱりあんたも見せたくないんじゃないのか?」 ジロム「見せたくないも何も…私には能力なんてものは無い。」 光輝「?…無いだと?」 ジロム「私は未能力者だ。」 光輝「!?」 なんだって? Aランクを相手にして全く動じずにやってのける未能力者? そんなのありえないだろ… そんな俺からでた言葉は… 光輝「…嘘つくなよ…」 ジロム「嘘に見えるか?」 光輝「ああ…常識的に考えてな。」 ジロム「確かにな… だが私は今のところ君に嘘をついていない。」 光輝「じゃあ今初めて嘘をついたと?」 ジロム「だから嘘はついていないんだが…」 光輝「……本当に未能力者なのか?」 ジロム「ああ、本当だ。」 光輝「じゃあなんで能力者相手にあんな圧倒的な力を見せ付けたんだ?」 ジロム「いやなに…別に圧倒的というわけではなかったぞ。 むしろ紙一重の勝負だった。」 光輝「俺には圧倒的に見えたな…」 ジロム「そう見えるうちはまだまだ未熟といったところだ。」 光輝「………」 ジロム「まあそういうことだ。 条件は条件だからな。 今回は諦めるとしよう。」 光輝「…見せてやるよ…」 ジロム「?」 未能力者と聞いた時…ふいに修也のことを思い出す。 未能力者… 差別はされないといっても色々苦労してきたのも事実。 やっぱこの人も… 劣等感とか…感じたことあんのかな? …同情くらいはしてやるよ。 ジロム「…無理しなくて…いいんだぞ?」 光輝「いや、大丈夫だ。 それよりだな… 俺の能力の詳細を知っている奴は絶対にいない。 俺の幼馴染だって知らないんだからな。」 ジロム「あ…ああ」 光輝「じゃあやるぞ。」 光輝はそう言うと白い光に包まれる。 そして…光が収まったとき、ジロムの前にいたのは………光輝とよく似た女がいた… 前へ |次へ |
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