《MUMEI》
森のムコウ
あたし達は

とにかく

遠くに逃げた。

誰にも

見つからない

遠い

場所に。

「はぁ‥。こ、怖かったぁ〜‥」

「もう来ないデスよね‥?」

「とりあえず一安心やな‥」

「油断は禁物だ。第一、オレなんか連れてきてどうする」

「ねぇシフィルちゃん、この実って食べられる?」

「おい、人の話聞けよ」

「はい、ど〜ぞっ」

「な‥」

「お腹空いてちゃ頭も働かないしね。美味しいよ?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「ずっと独りで何もかも背負って来て、いきなり‥仲間だ‥なんて信じられないし、信じたくもないだろうけど‥でもさ、あたし達は君の敵じゃない」

「分かってるよ、そんな事‥」

「ぇ‥?」

「でもオレは‥‥」

「エリオルくん‥?」

「オレは‥‥‥‥」

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