《MUMEI》 アルバム「まあまあ、逃げおおせたわ。」 ジィさんが座っていた椅子に掛けて持ってきた蜜柑を剥き始めた。 「蜜柑下さい。」 光は片手を伸ばす。 「じゃあこれはツンちゃんにあげようね。スジは?」 「要らない」 他人の光が1番孫らしい。渡された綺麗な蜜柑を何食わぬ顔で口に運ぶ。 光を見ていると幹裕と目が合った。 「蜜柑要らないのかい?」 「甘いよー」 肝が据わっている二人に敬意を表して蜜柑を食べることにした。 剥くのに集中している間にバァさんが古い表紙の本を持ってきた。 前へ |次へ |
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