《MUMEI》 返信〜司・優香side〜「来ないね…」 『霊道の扉』管理人にメールを送ってから、もうかれこれ一時間が経とうとしている。 優香は壁に掛けられている時計を見ながらため息をついた。 「だな…。」 返事の遅さに若干の焦りを感じているのか、司はどこか落ち着きのない様子で、先程から仕切りに時計を見ている。 「もう十時だぜ…?まだ管理人の奴寝てんのか?」 そう吐き捨てる言葉には苛立ちすら感じる。 「それに洋平達からも、何の連絡もねぇし!ったく、どうなってんだよ…。」 「ちょっと心配だよね…。電話してみようか?」 「そうだな。」 司は手元に置いてあった携帯電話に手を伸ばす。 その時だ。 「来たっ!!」 パソコン画面に変化があった。 メールが来たのだ。 司は持っていた携帯電話を置き直し、代わりにマウスに手を伸ばす。 優香も直ぐさまパソコン前にやってきた。 「管理人から?」 「あぁ。」 二人はゴクリと息を飲む。 カチカチッというクリック音が、妙に大きく感じた。 前へ |次へ |
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