《MUMEI》

実朝の商法は別荘を貸し切り広間や部屋を全て美術品で飾り、気に入った品物を買い取って貰う。

俺は其の売らなければならない絵画と共に一室献上されてしまった。

そして、圓谷林太郎ではなく、「兼松様」から実力を仕込まれた「氏永林太郎」と云うことで口裏を合わせた。

洋装を強要させられ首が苦しい。
上等な靴の足音が響く。

「さあ、どうしようか。」

なんて殺風景な部屋だ。
一つ、一つの品は決して悪く無いのだが花が無い。

此の部屋では絵は売れないだろう。

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