《MUMEI》








この日の授業も終わり、反省レポートも適当に終わらせ、下校する。

時刻はすっかり夕方か…

夕日は嫌いじゃない。

しばらく眺めているのもいいか…

ちょうど展望台についたとき、ふとそう思った。

そういえば…奏と初めて会ったのも…こんな夕日だった…




あいつと初めて会った時…

…俺はとある理由で海外にいた両親が行方不明になったと連絡があり、当時幼いガキだった俺はその事が理解できずにただ家を泣きながら飛び出していた…

そして…泣き疲れて公園で途方に暮れていた…時だった。

あいつに初めて出会ったのは…

少女「どうしたの?
   迷子になっちゃったの?」

あいつは…ただ心配そうに俺に声をかけてきた。

でも…その時は誰にも関わりあいたくなくて…

光輝「…るせぇんだよ!!!」

そばにいるあいつに怒鳴り散らしていた…

でもあいつは怒ることもなく、動揺することもなく…俺に

少女「一緒に遊ばない?」

あいつは俺を元気付けようとしてくれた。

少女「ね?遊んだらきっと元気になるよ。」

…俺は渋々了承した。




でもあいつと遊んでいると楽しくて…

いつの間にか悲しみを忘れていた…




その翌日…

俺は両親の知人の家に預けられることになった。

正直不安だった…

どんなところに預けられるんだろう…




でもそんな不安もすぐに消えた…

昨日の少女の…家だったから…








あれから10年以上経つのか…

意外と時が経つのは…早いんだな。

さて…そろそろ帰るか…

後ろを向くと…ある人物が立っていた…

光輝「……奏…?」

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