《MUMEI》 私は先生の家のソファーに、緊張しながら座っていた。外で食べると、他の生徒に見つかるかもしれないからと、家で食べることになってしまった。 先生と二人だけの秘密という感じで、なんだか嬉しかったが・・・緊張のあまり身動きできない。 自分も料理の準備を手伝うと言ったが、口止め料なんだからと拒否された。 先生の部屋をぐるりと見渡す。特に広くも狭くもない、2DKのアパートだった。扉の先に、先生がいつも休んでいるであろう、ベッドがあって、少し恥ずかしくなった。 「広崎、パスタ好き?」 キッチンからひょっこり顔を出して私に尋ねた。 私はびっくりして、すくっと立ち上がり、『好きです。』と答えた。その姿がおかしかったのか、先生は笑っている。 手持ちぶさたで、テレビでもつけようかと、リモコンが置いてある収納棚に目をやると、紺色の地球儀みたいなものが置いてあった。近付いて見てみると、星座の地球儀みたいなものだった・・・。 南十字星を探した。予想通り、南半球の位置にそれを見つけることができた。 「アクルクス、ミモザ・・・」 そこに記してある、星の名前を口に出した。 前へ |次へ |
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