《MUMEI》

「広崎・・・顔を上げて。」

私は先生に言われた通り、顔を上げた。

今度は先生が私の唇を奪った・・・。優しいキス。
でもさっきの軽いものとは違う・・・どんどん深くなっていく。

「んっ。」

苦しくて息を漏らすが、先生はなかなか離してくれなかった。

長い間唇を合わせた・・・。一度離れても、すぐにまた捕まる。

私は心も息も苦しくて、目に涙を浮かべた。

「そんな顔するなよ。」

「先生がさせたんだよ。」
「おまえは、すぐそうやって男を挑発するんだな。」
意味がわからず、ぷいっと顔を反らした。

先生はまた抱き寄せ
「そんな顔されたら、帰したくなくなるだろ。」

と言った。

さすがに、まだそんな勇気はなく、私は困った顔をする。その表情がおかしかったのか、先生は笑った。

「大人になるまで待つから、もう少しリハビリに付き合って。」

私は無言で頷いた。

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