《MUMEI》

「へぇ…そうなんだ。」


タラオは面倒臭そうに、花子をあしらった。



「…ところでママは…?」


「いま買い物に出掛けてるわ。

…少し遅くなるかもしれないって言ってたわよ。(笑)」


「ふぅん…」



タラオは、素っ気ない返事をして家に上がる。


「あ!…いまお茶を入れるから座って待ってて。」


タラオの背中を押し、リビングへと誘う花子…。


「え?…あ?…うん…。」



その強引なまでの優しさの押し売りに、タラオは呆気にとられてリビングの椅子に腰かけた…。

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