《MUMEI》
エピローグ
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ここは都内の高級ホテルの最上階にあるバーラウンジ…



間接照明に照らされた落ち着きのあるフロアで、僕はシガーをくゆらせていた。



蒼白い煙がたち上る向こう側には、ジャズメン達がTake5のスローナンバー…

Left Aloneを奏でている。



哀愁を漂わせたサックスの音色…



ピアノとウッドベースの調べ…



うっとりするようなジャズバラードに、僕は思わず目を閉じて聴き入ってしまう…



それは、人を待っていることを忘れてしまうような、心地よい旋律だった…。



そう………。

僕は、TOKYO-BAYの夜景が一望できる窓際の席で、3杯目のドライマティーニを口にしながら、一人の女性を待っていた…。

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