《MUMEI》

時刻は22時をまわる…。



フランクミューラーの文字盤をチラリと眺めて、最後のシガーに手をつけようとした時…。



「お待たせ…。」



待ちわびた愛しい声が、僕を振り向かせた…。










「お待たせ、タラオくん。

ごめんね遅くなって…

…待った?」



「やあ、リカちゃん…。

大丈夫だよ。僕もさっき着いたところさ…。」





― おわり ―

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