《MUMEI》

「うああぁぁ〜…のびちゃん…何故!?



………のび…ちゃぁ…ん…………




………の……び……ちゃ…………





……… ン ………………………。」




――…その時。



のび助の胸に顔を埋めて泣き崩れていた玉子の声が、不自然にフェードアウトしてゆく…。



そして玉子は、突然すっくと立ち上がると、何か言葉を発するでもなく、朦朧とした面持ちで何処かへ歩いてゆこうとした…。



「――…おい…?

……玉子さん…?」


のび助が手を差し延べて呼びかけるも、玉子の足は止まることが無かった。

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