貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》涙
母は私を残して出て行った。
私は家庭の事情で母と離れて暮らしていたが、15年前に韓国に私を迎えに来た母と母の新しい家族と暮らすようになった。
成田空港で待っていたのは私の新しい父であった。新しい父は私の手をとり繋いだ。私は違和感を覚えた。
新しい父と手を繋ぐこともそうだけど、新しい父の手の指の数がおかしかったからだ。よく見ると、人差し指と小指の先端がないのだ。
なぜかは、予想がつくだろう。そう、元ヤクザだったからだ。
そのときはさすがに小さかったのでヤクザも知らなかったが、大きくなるにつれヤクザだとわかった。
父と母は仲が悪く、喧嘩するときは包丁を持って喧嘩していた。わたしと弟は、トイレに隠れてないていた。
そしていつの間にかトイレで寝ていた。
私は朝トイレから出て、様子を見たとき、父が一人テレビを見ていたのである。
母は?と聞くと父は私の髪を引っ張ってお風呂場に閉じ込めた。母は出て行ったのだ。
2日間何も食べさせてもらえず、のどが渇いたらお風呂場のシャワーから出る水を飲んだのである。
そして3日目にしてやっと出してもらった。母が帰って来るという。父は私に近づいていった。このことを母に言ったら、お前も母もたたじゃ置かないと。私は、絶対にこのことを母には黙っていようと誓った。
そして何事もなかったかのように母が帰ってきた。私は嬉しくて涙が出そうになるのをこらえて何事もなかったかのように、母にお帰りといった。
そして、トイレにいって私は声を押し殺して泣いたのである。
それから10年、母と父は喧嘩を幾度となく繰り返した。
そして、この日またいつものように喧嘩し出した。そしてまたいつものように母は出て行った。
しかし、帰ってこなかった。私は泣いた。涙が枯れるまで泣いた。孤独になったのだ。
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