《MUMEI》

こういう場合俺はどういう反応をしたらいいんだろうか

頭で考えるより先に、カッと顔に熱が上った。頬の毛細血管が充血する。熱い、慌てて顔を伏せる。

「え、なになに?どうした」

雪で濡れたスニーカーの先を見つめる頭上から、からかうような声が降ってきた。

「こらー、何でそこで黙るかなー。顔あげなさいよ、ちょっと、」

無理、無理だ

だって顔上げたら
すげぇ赤いだろ多分

「照れてんの?耳まで真っ赤なんですけど‥‥」

指摘されて反射的に耳を押さえて顔を上げる、と、にんまりとした笑みに迎えられた。してやったりな顔、あぁそっか、罠ですね。あっさり引っかかっちゃいましたね俺

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