《MUMEI》

「うわ、マジで真っ赤ー!」

人の顔を指差して笑う白い顔が青い光の中でも桃色の染まっていたから

「‥‥お前も人のこと言えないだろ」

口の端を上げて言うと、全力で顔をそらされる。なんだよ、コイツも照れてんじゃねーか

「恥ずかしいヤツ」
「どっちの台詞だよ」
「確実に俺が言うべき台詞でしょ。なんですか、こういう道路で告白なんてさぁー」
「うるせぇ、文句言うな」

再び歩きだす足、さっきより少しだけ体温が近くに感じる。何だか気恥ずかしくて唇を尖らせたまま黙っていると、このこのー、とわき腹を突っつかれた。分厚い服の上からじゃ何にも感じられないが、つつかれた部分じゃないどこかがとにかくくすぐったかった。

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