《MUMEI》

「あ〜、なつきさんだ〜!」


「…もしかして、酔ってる?」


「そ〜かも〜」


私は、ケラケラと笑った。

「抱きつくなら、私にしときなさい」


「は〜い!」


私は言われた通り、なつきさんに抱きついた。


なつきさんはそんな私の頭を撫でながら、『よしよし』と言ってくれたから、私は『エヘッ』と笑った。


そんな私を…


皆が『変』と言うから、私は胸を張って言った。


「ちょーこは変じゃないもん!ちゃんと、あいてみてるもん!
こいびとどうしのじゃましてないもん!」


私はちゃんとわかっていた。


はるきさんにはひとみさんが


かつやさんにはかおるこさんが


まさひこにはゆいこさんが

かずまにはことこが





(…ん?)


「蝶子?」


「ん〜?」


私は、なつきさんの腕の中から抜け出した。


向かった先は、こーたの前だった。


こーたは何だか呆れたような顔をしていた。


「こーた」


「…何だ」


私は、疑問をぶつけた。


「こーたは、れーこさんの?」


「物じゃない」


こーたはきっぱり言った。

(そうなんだ…じゃあ、こーたには抱きついていいのかな?)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫