《MUMEI》 翌朝。 (ど、どうしよう) 日本酒そのものではなく、アイスだったからだろうか。 私は…断片的ではあるが、自分のした事を覚えていた。 祐介さんと勇さんに抱きついて 夏樹さんと抱き合って 孝太に抱きつこうとして 麗子さんに抱きついて… (うわ〜、もう、どうしよう!) きっと、皆呆れたに違いないと、私は思っていた。 (俊彦にも、怒られるだろうな〜) 私は頭を抱えていた。 不幸中の幸いだったのは、あの場にいたのがいつものメンバーで、工藤一家がいなかった事だった。 だから、とりあえず私は安心して、朝食を食べていた。 ピンポーン そこに、チャイムが鳴った。 (だ、誰だろう?!) 私は、工藤一家が心配するほど震えていた。 咲子さんが玄関を開けた。 「…おはよう、どうしたの?」 「おはようございます。すみません、朝早くに。 …蝶子、いますか?」 現れたのは、…麗子さんだった。 私はまるで、連行されていく犯人のような心境で、麗子さんと一緒に『クローバー』のホールに向かった。 「蝶子…あのね」 「ごめんなさい!!」 私は昨夜の失態を謝罪した 前へ |次へ |
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