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《MUMEI》 ｢すぐ、隠れる。目も合わせない。 言わなきゃいけないことあるんじゃない？｣ 七生……見破っている？ ｢あ……うーと……｣ バレてたのか？ 怒ってたり？ 締める力が強くなっている。 ｢俺のこと、欲しくなったんじゃないの。｣ ｢……………………は？｣ 何、こいつ、今まで俺が欲情して避けてたとか思ってたのか？ ｢あのなあ、七生じゃあるまいし。そう年中発情しないんだけれど？｣ やば、額が引き攣ってしまう。 ｢じゃあその挙動不振なのは？｣ ｢それは――――――――｣ 七生の顔見ると素直になれないからで……。 あと、まだ唇を見ると抵抗がある。 ｢言えないようなことなんだ？｣ 真剣な眼差し…………言えるか。 ｢七生こそ、俺のことどうでもいいくせに……。｣ ｢……………………は？｣ ｢だって、俺のこと見てないじゃないか。 呼んでも肝心な時にいない……！｣ そうだ、俺が嫌な思いしても七生は俺を助けない、慰めるだけだ。 ｢じろー……？｣ 駄目だ、口が勝手に動き出す。 ｢俺に惚れてるなら俺のこと理解してから面見せやがれ！ この性欲魔人！｣ 怒りに任せて七生の股間を捻ると腕の力が緩んだので逃げ出す。 あまのじゃくだ……。 土下座して反省して謝らなきゃいけないのはこっちだろ…… 前へ |次へ |
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