《MUMEI》 「その…葛原さん、でした?いつなら居ますか?」 「う〜ん…明日かな?はっきりした事は言えないけど。」 「そうですか…。あ!だったら家とか教えて頂けないでしょうか?」 「家?いや、それはちょっと…」 やはり一筋縄ではいかない。 かと言って引き下がる訳にもいかない。 洋平は何とか聞き出そうと食い下がった。 「早く刑事さんに聞いて頂きたいんです!」 「だったら僕が聞くからさ。僕も刑事だろ?」 「…こんな事、言いたくないんですけど、若い刑事さんより、ベテランの刑事さんの方が信頼出来るというか…、その‥。」 洋平はバツが悪そうに言う。 いくら計算上の発言とはいえ、本人を目の前にしてこんな事を言うのは申し訳ないが、今は仕方ない。 新米刑事の顔が一瞬悲しげに見えたが、すぐ元の表情に戻った。 「はぁ…、わかったよ。」 クシャクシャ髪の毛を掻きながら、新米刑事は二人を手招きした。 「乗って。送ってくよ。」 前へ |次へ |
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