《MUMEI》 真面目な顔で考え込む私の顔を、俊彦が覗き込んだ。 「そこは、『そんな事無いよ、俊彦。愛してるよ』って抱きつくとこでしょうが!」 「そう…なの?」 「そうなの!」 「そうなんだ…」 落ち込む私を見て、俊彦は苦笑した。 「まぁ、そういう駆け引きや演技が出来ないとこも、蝶子のいいとこだよね」 ? そして、俊彦は『例えばさ…』と言って、私の太ももを撫でた。 「…っ」 ピクリと反応する私を見て、俊彦はクスリと笑った。 「ほら、だから、こういう反応が、素直で可愛い」 「や…だ」 俊彦が私の手を退けた。 「弱々しく抵抗するのも、可愛い」 耳元で囁かれて、ゾクリとした。 「ンッ…ッ…」 「感じてるのに、すごく我慢してる声も…色っぽい」 胸を隠していた手も退けて、ゆっくり揉みながら、一方で、中に指を入れてくる。 「だ…めっ…も…」 快感に溺れそうになる私に、俊彦は、『じゃあ、やめようか?』と訊いてきた。 (そ…んなぁ) 私は、離れようとする俊彦の腕を震えながら掴んだ。 「どうしたの?」 「い…じわるっ…」 「ちゃんと、やめたよ?」 前へ |次へ |
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