《MUMEI》

「…リーダーを殺した?」
「あぁ。俺がヤンキーの時、相手のリーダーがライバルだったんだ。それで…本体を殴ろうとした時、いきなり雷が降ってきてそのリーダーが死んじまった…」
語る純の顔は、どこか悲しそうな笑顔だった。

「全くそんな事知らなかった…純の過去なんて」
「まぁ、頭の片隅にでも置いといてくれよ」
苦笑いして答える。

「滝!」
いきなりドアを開く音がした。中にいる人物は瞳だった。金髪がえらく輝かしい。差し込む光のせいだろう。

「どうした?そんな慌てた顔して…」
「あなたの幼なじみが来てる!早く出てあげて!」

瞳が知らない人か…

「分かった。純も出て来い。いずれ紹介しなきゃいけない人だから」
「? お、おう」

そして、玄関へ向かう。
すると…

「久々に会ったわね…滝!」
腰に両手を当てて、ドーンと待ち構えていた。

「な…」
智嬉が怯えている。
「理恵華!」

俺は思わず声をあげた。何せ、昔と変わらない容姿なのだから。
「この人が理恵華さん?」「…話しておいたんだ、一応新人以外は」
「あら、そうだったの。…そちらの二人さんは初めまして。私は浅波理恵華よ。ウチの馬鹿がお世話になってます」

平然として馬鹿と言った!
「い、いや…そう呼べるくらいなら親しい関係なんですね」
瞳が笑顔で理恵華に話かける。俺への否定は無しかよ…
「そりゃもう!小さい頃からの親友だもの。なんでも知ってるわ」

「…なんの御用だ」
俺はジト目で話す。
「あなたに…忠告しておきたい事があるの」

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