《MUMEI》
ダブルデートパート2
『付き合って最初に過ごすのが彼氏のアパートで、夕飯とお風呂とHなんてありえない!
私そんな女じゃないわ!』

そう、麗子さんが『クローバー』で叫んだ夜。


(私、やっぱりエロエロ?)

私は、麗子さんの言葉にギクリとしていた。


そんな私に向かって麗子さんは、『蝶子はいいわよね〜』と、しみじみと言った。


(まさか、『エロエロだもんね』とかじゃ、無い、よね…)


私は恐る恐る『何がですか?』と質問してみた。


麗子さんは


私と俊彦は、休みが同じだから、ラブラブデートを重ねているに違いないと思っていたのだ。


『ねぇ、今まで、どこ行った?』


『スポーツクラブ…です』

私が俊彦と行った事があるのは


実家や山田家の人々への挨拶を除けば、雅彦と結子さんと一緒に行ったスポーツクラブしか無かった。


それしかないと正直に告げると、麗子さんが『それじゃダメよ!』と叫んだ。


そして、今日。


四月の第三水曜日。


この日は、麗子さんも、休みを取れる日だった。


待ち合わせ場所は、駅前。

待ち合わせ五分前に、俊彦を除く三人が集まった。


「ごめ〜ん、待った?」


「ううん、大丈夫」

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