《MUMEI》

「ところで、何回目のデートでキスして、付き合ってどの位でSEXするのが『定番』なんだ?」


孝太の発言に、孝太以外の三人は、飲み物を吹き出しそうになった。


…訂正。


「俊彦! 汚い!」


「ああぁ!ごめん」


俊彦は、実際に吹き出していた。


私は俊彦にティッシュを手渡した。


俊彦は、口元を綺麗にすると、コホンと咳払いをした。


「孝太、今、何時で、ここはどこだ?」


「十四時四十七分で、ショッピングセンター内のカフェ」


俊彦の質問に、孝太ははきはきと答えた。


「…いいか、孝太。さっきみたいな質問は、夜に、居酒屋かバーで、出来れば男同士でするもんだ」


「そうか? すまない。どうも俺はそういう知識が無くて…」


そして、孝太は麗子さんを見つめた。


「麗子と付き合い始めても…よく、わからないんだ」

麗子さんは、困った表情の孝太を見て


ものすごく、嬉しそうな顔をした。


「それって…私が初めての彼女って事?」


孝太が頷くと、麗子さんの表情がますます輝いた。


私の隣で俊彦が、何故か綺麗な麗子さんを『男だなぁ、…あいつ』と言った。


私は、その意味がよくわからなかった

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