《MUMEI》





家の中どこを探しても人一人すらいない。

光輝「……いないな…誰も…」

フィーラ「はいですにゃ。
   それにしてもこの家結構広いですにゃ。」

光輝「まあ確かにはじめて来たような奴は確実に迷うだろうな。」

フィーラ「それにまだ半分も調べてないような気がしますにゃ。」

光輝「確かにな。
   でも……一つだけ心当たりがあるんだ。」

フィーラ「心当たり…ですかにゃ?」

光輝「ああ…なんとなく…ここしか無いっていう気がするんだ。」

フィーラ「ならすぐその場所に行きましょうにゃ!!」

光輝「ああ。」

ただ…あの場所に行く…不安もあるんだよ…

なんでだかわからないけど……嫌な予感がする…

でも……行くしかないんだよな?





フィーラ「ここですかにゃ?」

光輝「ああ…
   奏の部屋だ…」

ドアを開ける…

フィーラ「一人部屋にしてはかなり広い部屋ですにゃ…」

光輝「……ああ…」

フィーラ「…でも誰もいないですにゃ…」

光輝「いや、窓のほうを見ろ。」

窓のほうに人影が見える。

かなり見覚えのある人影だ。

フィーラ「あれは…誰ですかにゃ?」

光輝「…あれは…」

……奏…

俺は真っ先に近づこうとする。

しかし…

フィーラ「待つにゃ!!!」

!?

光輝「なんだ?こいつら…」

フィーラ「…やっぱりいたですにゃ…」

俺達は黒服の集団に囲まれていた。

そんな俺達を奏は表情一つ変えずに見ている。

光輝「…なんのつもりだ…」

俺は奏に問う…

奏は何も答えない。

光輝「……奏!」

奏「………」

まるで俺の声が聞こえていないようだ。

光輝「おい!聞いてんだろ!?」

奏は何も答えず、その場を立ち去る…

光輝「奏……」

フィーラ「何やってるですかにゃ!!早く追うにゃ!!」

フィーラが必死に俺を呼んでることに気づいた。

フィーラ「こいつらはにゃ〜がなんとかするにゃ!!
   だからそのうちに早く追うにゃ!!」

光輝「……助かる!」

俺は奏の後を追った…

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