《MUMEI》

それはドラえもんと思わしき残骸だった…。




残骸が散らばる中央には、大きな鉄のハンマーが転がっている…。


それが破壊に使用された凶器であることは、容易に想像することができた。




「こ!…これは…!?」


のび助は、何が起きたのか全く理解できず、呆然と辺りを見回した。



――…すると…



――… ヒタ … ヒタ … ヒタ …


現場に背を向けて何処かへ歩き去ってゆく女性の後ろ姿が、のび助の目に飛び込んできた。



その人影に、のび助は更に驚愕した!



「た…!た・た・た・た・た・た・た・た・玉子さん!?」



それは、のび助の妻――…



…玉子だった。

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