《MUMEI》

「じゃあ、咲子さん、これ」


「ありがとう」


?


咲子さんは結子さんから大きめの紙袋を受け取っていた。


「あぁ、良かった!咲子さん、はい、これ!」


??


慌ててきたラフな服装の俊彦からも、何かを受け取っている。


「蝶子、今日は頑張ってね! 後から行くからね!」

「う、うん…」


???


確かに、去年は『クローバー』にも雅彦ファンが大量に押し掛けて、すごく忙しかった。


多分、結婚しても、『雅彦の選んだスニーカーなら勝てる』というジンクスは変わらなかったから、今日も忙しいだろう。


それにしても、俊彦のテンションは異常なような気がした。


????


次々に『シューズクラブ』にやってくる他の人達からも、私は似たような事を言われ、困惑しながら咲子さんと『クローバー』に戻った。


そして、『クローバー』に戻った私に咲子さんは、結子さんと俊彦から受け取った


メイド服と


厚底のローファーを笑顔でつきつけた。


(こ、これは…まさか…)


「これでメイドやれ、とか、言わない…ですよね」


「言わないわよ」


咲子さんの笑顔に私はホッとした。


しかし…

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫