《MUMEI》
傷痕
ー60年前ー

それはお供に出会う前。
僕、沙羅は宿に泊まっていて偶然、泊まっていた宿に夜盗が入ってしまった時、不運にも子供を庇って怪我をしてしまった。

「っう……!!」
刀で胸部から胴部まで斬られた。

ただ、子供は無事のようだ。

ダメだっ…意識が遠のく。
…………………………………………。



「う……」
ここは…?

「よかった、目が覚めたようね。あなた、弟を庇ってくれてありがとう」
「誰?ですか」
僕は上半身裸に包帯が巻かれている状態だった。
下はいつものだ…。

見知らぬ家に、布団で寝かされていた。

「私は哉矢(カナヤ)あなたが庇ってくれたのは、七矢(ナナヤ)よ。
傷が消えるまでここにいて。お礼がしたいの」

ここは、…鎌倉時代か。…確かに傷が消えるまでは旅は無理そう。

「じゃあ…お言葉に甘えて。僕は…沙羅です」

「さっ!じゃあそろそろ薬塗り直さなきゃ」

…………………………………………あれ?
このあとどうなったんだっけ?





……………………………………………………………思い出せない。



何でだろう。







《傷痕》、弐へ続く。







あのあとは…………………………………………………………なんだったんだろ

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