《MUMEI》

ラルンは何もなかったというように、すっと立っている。


「成長しましたね塁羅、かかと落としの時、三叉槍で庇い急所を免れたんですね。」


「うんまぁ、でもラルン、油断しすぎじゃない?」


「そうですね、ちょっと油断しましたね。

でも塁羅、最後の方は棒の方ではなく槍を突き刺すべきです。」


「あぁ……、うん…。」


塁羅は下を向いた。


「まだ躊躇いがあるんですね。」

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