《MUMEI》

自ら悲しみを背負うのは勇気のいる事。


オレの彼女も焼香に来てくれた。


お母さんも一緒だった。


オレは今まで、自分の彼女を母に逢わせた事が1度もなかった。


照れくさいとかそんな理由からだ。


「こんな形になったけど、

遅くなったけど、

良い子だろ?」


オレは胸の内、母に紹介したのを覚えている。


絶望の瞬間を共にした、
この世界で唯一の存在。


キミには言葉にならない程感謝している。


命が枯れゆく全ての瞬間に、

励まし、

支え、

勇気を与えてくれた。

その度に、オレは生き抜く事が出来た。


キミのしてくれた事は間違いではない。


紛れもなく、


1人の人間の魂を救った。


母の前で思った事。


そして、今でも母に自信を持って言える。


「自慢の彼女だ」


感謝している。

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