《MUMEI》 見上げる頭上に星が輝く。 昔見たスパンコールに似ている。 雪は止み道路には綺麗な轍が出来ている。 葬儀の間も降り続いたのであろう。 見慣れ過ぎたこの道も、 今は懐かしくも愛しくも見える。 街灯の照りつけで路肩に積もる雪の白が映える。 雪解けで出来た水溜まりを小走りで家に向かう。 寒さが身体を突き抜ける。 夜のとばりの全てが美しく見える。 アパートに着く。 玄関の前には小さな雪だるま。ドアが開き光がもれる。君が、おかえりと言う。オレは最愛の君を抱きしめる。 命に再び火が灯る。 生きる意味を 生まれて初めて この身が理解する。 前へ |次へ |
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