《MUMEI》

(そうなんだ…)


だったらメンバーはいつもよりも少ないだろうと、私は少し安心した。


…が


すぐに咲子さんが『それとね』と笑顔で付け加えた。

「一応、商店街の皆には、『今日は蝶子ちゃんメイドだから』って言ってあるから…

多分、いつもと同じか…それ以上に集まると思うから、…

蝶子ちゃん?」


(そんなぁ…)


再びぐったりとする私に、咲子さんは『やっぱり…休憩する?』と声をかけてきたので…


私は、謝りつつ、その申し出を受ける事にした。


去年のように寝顔を見られたく無かった私は、咲子さんに『部屋で寝てるので、すみませんが、始まる少し前に起こして下さい』と頼んだ。


咲子さんは、『いいわよ』と言ってくれた。


そして私は、念のため携帯のアラームと、部屋の目覚まし時計の二つをセットして、眠りについた。


今日は子供の日でもあるので、衛さんは双子を連れて遊園地に行っており、夕食は外で済ませて帰ってくる予定だった。


咲子さんは、私とさっき遅い昼食を食べたので、夕食は、適当に済ますと言っていた。


私は…夕食はどうでもいいと思うほど、とにかく眠かった。

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