《MUMEI》 不法侵入最初に感じた違和感は、重みだった。 (おかしいな…) 私は仮眠だし、メイド服がしわにならないように、軽いタオルケットをかけて寝ていた。 (もしかして、寒くなったのかな?) 無意識にいつもの掛布団をかけたのかもしれない。 ボンヤリと、そう思っていた。 私の瞼はまだ重くて、開く事ができなかった。 しかし、次に感じた違和感に、さすがに私は目を開けた。 それは、よく知っている手の…私を撫でる時の感触だった。 「と…しひこ?」 「『ご主人様』だろ?」 私に馬乗りになっている俊彦は、そう言うと、顔を近付けてきた。 「ちょっ…!何してるの?!」 「サボってるメイドにお仕置き」 「そうじゃなくて!」 私は慌てて、俊彦の唇を手の平で押さえた。 ガチャッ! 「コラァッ!」 ベッドにいる私達に怒鳴り込んできたのは… 「咲子さん…」 だった。 「『早めに来て、手伝うよ』って言っておきながら… ここで、何してるの?俊彦君?」 「いや、あの、疲れてる蝶子にマッサージを…」 俊彦の下手な言い訳が、咲子さんに通用するはずは無かった。 前へ |次へ |
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