《MUMEI》
オメデタ
咲子さんは、厨房の内線で連絡して、帰宅していた衛さんが、俊彦を連れてきた。


「…何か、重大発表があるって、…釈放されてきました」


そう言った俊彦のお腹が何度も鳴ったので、さすがに私は可哀想になり、一応取っておいた料理を手渡した。


俊彦が猛スピードで料理を食べ終えると、改めて瞳さんと薫子さんが発表した。

二人が…揃って妊娠三ヶ月だという事実を


当然、その場にいた全員…

正しくは、相談を受けていた咲子さんと、二人の夫の春樹さんと克也さん以外の人々は


驚き


そして、喜んだ。


「三ヶ月って事は…雅彦と結子の子供と同学年ね」


愛理さんが、指折り数えながら、確認した。


「「そうね、子供も同期ね」」


瞳さんと薫子さんは喜び


「「腐れ縁だな」」


春樹さんと克也さんは苦笑した。


「…」


「私は別に同期とかこだわってないからね」


無言で見つめる孝太に、麗子さんが言った。


「私も、別にいいや」


愛理さんもきっぱりと言った。


「結婚式までは、無理だよな」


「…まぁね」


確認する和馬に、十二月に着るウェディングドレスを既に選んでいた琴子は答えた。

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