《MUMEI》
危うさ
家族が病院に呼ばれた。千尋は知らない。医師から千尋の容態の説明を受ける。
「お嬢さんはもうすぐ8ヶ月に入ります。正直ここまで持つとは思いませんでした。」
聡が口を開く。
「それはどういう…?」
医師はカルテを見ながら静かに説明を始めた。
「お嬢さんはだいぶ参ってらっしゃる?ストレスを強く見受けられます。そして中毒症。今は血圧も安定し始めてますが予断を許さない状況です。胎児がここまでもっているのは奇跡に近い。今万が一のことがあれば胎児はおろかお嬢さんの命も保証できません。せめてあと一ヶ月、もたせるよう私達も努力しますので、ご家族もご協力お願いします。」
沈黙が流れた。
それはそうだろう。最愛の大和を失っているのだから。千尋の支えは無事出産することしかない。
両親は医師に「娘をよろしく」と頭を下げている。
聡は今の千尋に必要なのは何か考えていた。しかしどれも今の千尋には逆効果になりそうで怖かった。

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