《MUMEI》
other day,other eyes
恋人と別れて約半年、不意にかかってきた電話はその元彼の友人でかつてのバイト仲間からだった。久しぶりに会いたいと言われ、大学の講義が空いている時間を見計らって待ち合わせた喫茶店に行くと、懐かしい茶髪がひらひらと手を振った。

「久しぶりねー」
「マジだなー。半年ぶりだもん」

向かいに座ってウェイトレスにミルクティーを注文する。テーブルの上には中身が半分ほどになったカップ、銀色の灰皿は吸殻をいくつも抱いている。遅刻の常習犯だった彼にしては珍しい、なにかあるのかしら?とまじまじ顔を見つめると、困ったように笑われた。

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