《MUMEI》

「元気?」
「まぁそれなりに‥‥、そっちは?あ、今モデルやってるんだよね。雑誌見たよー」
「あーマジで?何か恥ずかしいな」
「そう?カッコいいんじゃない?」
「あはは。ありがとー」

他愛もない世間話をしている間も、目の前の彼はどこか居心地悪そうだった。個人的に連絡を取り合ったりしていた友達であるものの、やっぱり元彼の友達だし、こちらとしても気まずいといえば気まずいけれど。別に私は私でもう恋人のことはふっきれているし何も気にしなくていいのに。
何なのかしらね、この感じは

「‥‥直弘は元気?」

一通り近況報告をして話題が尽きてくると結局自分でそう言ってしまう私は、苦労性なのかもしれない。

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